ブラジルまさかの敗退

今日から準々決勝。オランダ対ブラジル。ブラジルは全員が守備意識高く守って、ボールを奪うと縦に早く攻めるカウンター戦術。オランダは相変わらずポイントのはっきりしないサッカー。それにしても試合開始から激しい。球際の競り合いはもちろん、ボールのないところでの言い合いなどもとにかくケンカ腰。ケンカしながらついでにサッカーやってるような感じ。本気出すというのはこういうことなのか。グループリーグでの試合はお遊びだったと言わんばかりの、緊張感あふれる試合。プレーの質も高い。さすがに屈指の好カード。異次元のクォリティ。
前半はブラジルのしっかりした守備と、世界最高の個人技がうまくかみあう。前半10分には低い位置のフェリペ・メロから出たスルーパスロビーニョが決めてブラジルが先制。ほぼ最終ラインの位置から見事なラストパス。オランダのDFラインは乱れていたが、あの位置からラストパスが出るとは思わない。ロビーニョの動きだし、後ろから来たボールをダイレクトでシュートする技術もお見事。これがブラジル。その後も選手個々の技術の高さに加えて、守備になったときの切り替えの早さ、攻撃になったときの縦の推進力で完全にオランダを翻弄。オランダはがんばって守ってはいたが、ボールを奪った後の運動量が足りない。ロッベンがサイドを駆け上がっても、中にいるべき選手が走りきれないのでチャンスを活かせない。前半終了時のスコアは1-0だったが、点差以上に実力差があったように思えた。少なくともオランダが勝つとは夢にも思わなかった。
後半に入ってオランダが何を修正してきたのかよくわからなかった。基本的なコンセプトは変えてなかったはず。ブラジルは前半のサッカーを続ければ勝てる。オランダは何とかして流れを変えたい。そんな中でセットプレイからメロのオウンゴールでオランダが同点に追いつく。ブラジルからすると交通事故のような不運なゴールではあった。オランダは恰好はよくないにしてもとにかく追いついた。それでも事故だから、落ち着いてプレーし続ければブラジルが追加点をあげ、勝利するだろう。そう思いながらもブラジルに追加点がこない。オランダの勢いが徐々に増していく。ピッチ全体の激しさも増すばかり。試合の大きな流れをブラジルは取り戻せない。百戦錬磨の選手たちが熱に浮かされているよう。するとメロがロッベンに蹴りをくれてしまい、一発退場。これで試合は終わった。もう風向きは二度と変わらない。
準決勝で見たいのはどう考えてもブラジル。今年のオランダのサッカーが魅力的だとは思えない。それに比べてカカの優雅なこと。ロビーニョの巧いこと。そしてしっかり守備をするブラジルの光景。ブラジルに守備を植え付けたことこそがドゥンガの功績であり、それはずっとキャプテンとしてセレソンを率いてきた彼だからできたことだろう。もうブラジルが見られない。早すぎる。

今日酒屋で見つけたので買ったブラジル産のガラナジュース。ブラジル製品なので全力でブラジルを応援。パッケージにはゴールパフォーマンスを決めるカカ。彼はあまり調子がよくなかったみたいだったが、もっと見たかった。あと、フェリペ・メロは本気で命が危ない。