人間椅子

今日は月に数回しかない,メタル仲間であるDEATH師匠との面会日。ブラック・サバスが好きなら気に入るはず,とのことで人間椅子なるバンドを教授いただいた。なんとイカ天出身という大ベテランバンドであり,現役続行中。江戸川乱歩の同名作品をバンド名にいただいた彼らのディスコグラフィはやはり文学作品から拝借されたアルバム名でいっぱい。そして何より音楽性が面白い。

音作りはとてもクラッシックで,確かにブラック・サバスを彷彿とさせる。ドラムの音も古臭い。歪めた音でリフを重視する曲作りも懐かしい。一音半下げのチューニングが醸し出す重さは現代的と言えるかもしれない。見た目や歌詞も含めておどろおどろしいオカルト的な雰囲気作りはまさにサバスの神髄(ちなみにこの点だけはスリップ・ノットはブラック・サバスの隔世遺伝だと私は主張して憚らない)。
しかし何より興味深いのは「日本の旋律」(DEATH師匠談)を活用したメロディ。適当に拾い読みした限りでは津軽三味線(彼らは青森出身)の旋律を使っているようだが,確かに和風なのである。

1:05〜1:11でのリフでハッとさせられる。
英語風にも聞こえる歌詞づくりと歌唱スタイルは,日本語でもこれだけできるのかと感嘆せざるを得ない。言うほど簡単ではないのである。
メタルとは真に知的な音楽ジャンルなのだが,ここまで文化的に豊饒なバンドは珍しい。最近では時間も金もなく新しい音楽にトライしてみることができていない。わずかな時間で既に評価の定まっている古典的なHR/HMバンドを掘り起こしては自らを慰めるばかりのところで,こんな刺激的な情報をいただいて感謝するばかりである。
ちなみにこんなマニアックな動画もあった。