セルビア対ガーナ

うってかわって好ゲーム。いずれもGKからパスをきっちりつないでいくサッカーで、どちらも監督はセルビア人。やはりあのあたりの監督はクセ者が多い。つなげるわけだからどの選手も個人能力が高く、ミスの少ない締まった試合。しかし比較的迫力があったのはガーナ。とにかく1対1の対人プレーが強い。ルコビッチが退場、そしてクズマノビッチがPKを与えてしまい、結果的に勝ったのはガーナ。このグループDは他にドイツとオーストラリアがいるが、どこが勝ち抜くかわからない。
ところでこのガーナの勝利が今大会アフリカ勢の初勝利。初のアフリカ大陸でのW杯ってことでアフリカ、特にサハラ以南のブラックアフリカの一体感を煽るような報道が目立つ。とはいえ南アフリカのホームであるのは間違いないが、ガーナのホームではない。だからガーナが勝つ(あるいはナイジェリアが勝てなかった)ことがどれくらい重要なのかよくわからなかった。でもガーナが勝って、スタジアムが湧いて、黒人の人たちがたくさん喜んでいる姿を見ていい気分だった。ガーナのサポーターだけではなかったはずだ。ブラックアフリカが持つ植民地としての黒い歴史の影はまだまだ濃く残っているけれど、このお祭りは間違いなくまぶしい光をもたらしている。FIFAがアフリカ開催にこだわったことは、もちろん裏でいろいろあったにせよ、間違ってなかったと思う。