耳たぶの粉瘤

ずーっと耳たぶにしこり(粉瘤)があり、無害だから放っておいたのだが、ここ1週間くらいで腫れるわ・痛むわ・熱を帯びるわと三拍子揃った見事な炎症性粉瘤に成長を遂げていた。耳たぶの裏、へこんだ部分にちょうとすっぽりはまったような、ドーム状の膨らみはもう変色して一触即発、というか破裂したのがここ2、3日前の話。あー病院に行かなきゃと思っていたが、風呂で耳をふやかしながらモミモミしていたら中身が出てきたのが昨日の晩。フリスクの粒より大きな脂肪の塊にビックリした。このまま成長を続ければそのうち目と口ができ、手が生え、プギィィィーッとか泣き叫ぶ生物になってこの流れから行けば自らの意思を持ってお前を乗っ取ってやるゥゥゥッとかなんとか言いだす奇妙な冒険が目に浮かぶ。ので病院に行ったのが今日。
近所の小さな古い耳鼻科に行ったら昔から変わっておらず、経済成長から取り残されたようなレトロな医院。昭和の生き証人みたいなお爺さんの医師に症状を説明すると老人特有のか細い声で「ほじゃ、絞り出すけぇの」と、予想はしていたが嫌な展開。麻酔なしで耳たぶの中の悪いものを力任せに排出する。これが昭和を生き抜いた人間の荒療治なのか。ネットでは麻酔の過程があるとあったのに、うう。もう腫れがだいぶひいていたので実際にはあんまり痛くなかったのだが。看護師さんは無言のままのお爺ちゃんの様子から既に処置が終わったことを読み取ったようで、絆創膏を貼ったりする別のスペースへ移動。あまりに早く済んだので拍子抜け。そのレトロっぷりから、診てもらうより見に行きたいような医院だった。