黒いアイツ

内職。第三波が到着。多すぎる。まだ第二波を捌ききれてない。
これで窮地に陥った。なんとか持ちこたえなければ。


晩御飯を食べて部屋に戻ると、なんと黒光りするアイツがコンニチハ。
またかよ。ネコがすっかり興奮しちゃってるし。
今回のは比較的小型だがライトウェイトを活かして飛び回る様は
まさにアエロプラニーニ。
対する私は掃除機を曳航しながらノズルを外し直管仕様にして
推定40ミリの対空砲を向ける。
しかし機動性を活かした幻惑殺法の前になすすべはなく、
ここに大艦巨砲時代の終焉を思い知ったのだった。
私とネコを絶望の淵に叩き落した件の黒い小型飛行機は
羽音も軽やかに台所へ帰投していった。
やつめ、次はないと思え。



……3時間後、台所で墜落した小型飛行機を発見。
おそらく台所の電灯が除虫灯よろしく敵機を引きつけ、
最後には力尽きて墜ちたのだろう。
こんなこともあろうかと電気をつけっぱなしにしていたのだ!
まんまとひっかかりおって!
こうしてテロとの戦いはあっけない幕切れを迎え、再び平和が訪れた。
乾杯。